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長友佑都の成長の秘訣がここに。ハリウッド発ポッドキャスト制作スタジオが描くスポーツ×音声コンテンツの未来
プロサッカー選手・長友佑都の明かされることのなかった半生や「止まらない」成長の秘訣をひも解くほか、各界で活躍する方々へ独自インタビューをするポッドキャスト番組『UNSTOPPABLE』が2023年9月よりAmazon Musicで配信されていることをご存知だろうか。仕掛け人はハリウッドを本拠地とし、高品質で魅力的な物語の制作に長けたポッドキャスト制作スタジオ「Wondery」。Wonderyはなぜ、スポーツ×音声コンテンツに可能性を見出し、長友佑都を選んだのか。 アマゾンジャパン合同会社 Head of Japan Podcast Content Wonderyの柴田周平氏、Senior Podcast Marketing Managerの田中裕太氏へのインタビューを通じて、その真意と『UNSTOPPABLE』の展望が見えてきた。
(インタビュー・構成=五勝出拳一)
『UNSTOPPABLE』誕生の経緯
――まず『UNSTOPPABLE』の番組タイトルの由来について教えてください。
柴田:長友佑都選手を起用した番組について田中と議論をしている中で、わりと早い時期に『UNSTOPPABLE』というコンセプトが出てきたと記憶しています。
田中:そうですね。大学サッカーの舞台から3年でセリエAのインテルまで辿り着いた長友選手は、とてつもない成長スピード・成長曲線でステージを駆け上がりました。その過程で無数の挫折や気付きがあり、それらを血肉に変え続けてきたからこそ日本代表初の4大会連続W杯出場を成し遂げられたのだと思います。長友選手が語る学びの秘訣やエピソードにフォーカスして、少しでもリスナーが勇気づけられたり、前進・成長するための術を持ち帰っていただけるような番組が作れたらいいよね、と柴田と会話している中で出てきたアイデアが『UNSTOPPABLE』です。
ーーハリウッド発ポッドキャスト制作スタジオ「Wondery」が音声コンテンツのテーマに、スポーツを選ぶ理由についてはいかがでしょうか。
柴田:Wonderyはストーリーをすごく重視してポッドキャスト番組を作っているハリウッド発のスタジオで、日本でもストーリーを重視したオリジナルコンテンツを作ろうとテーマを模索していました。スポーツを選んだ理由は、スポーツがエモーショナルなストーリーを携えているということ。そのうえで、長友選手の唯一無二のストーリーに注目をしました。
田中:日本にはまだまだ音声コンテンツが少ない中で『UNSTOPPABLE』は構成からものすごく作り込んでいて、ポッドキャストを聞いていると映像がどんどん浮かんでくる。臨場感のある番組になっていると思うので、音声コンテンツに馴染みのない人もぜひ一度聞いてみてほしいですね。
ーー私も早速『UNSTOPPABLE』を聞かせていただき、まさに映像が浮かんでくるような新しい感覚でした。続けて、スポーツをテーマとしたオリジナルコンテンツの第1弾に長友選手へオファーを出された背景についてお聞かせください。
柴田:W杯最終予選で受けた厳しい評価や逆境を乗り越えて、カタールの地で長友選手が見せてくれた活躍ぶりはやはり印象的でした。三笘薫選手を筆頭に若手の台頭も目立った大会でしたが、ピッチ内外で長友選手の存在感は際立っていたと思います。そしてカタールW杯を終えた今、長友選手が自分のキャリアについてどう考えているのか、ご本人にサッカー人生を振り返っていただきながら、長友選手のストーリーを音声コンテンツとして届けたいと考えたことがオファーの経緯となります。
「何かと派手に見えるプロサッカー選手だけど、楽しいことよりもつらいことや苦しいことのほうが多い。それとどのように付き合いながら、良いパフォーマンスを発揮し続けられる自分を作るのか」と、長友選手も番組中で語っていましたが、収録前に僕らが期待していた以上にさまざまな学びが詰まった内容に仕上がっていると思います。
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ポッドキャストで新しいスポーツコンテンツのかたちを
ーー『UNSTOPPABLE』の企画が走り出した今、改めてスポーツ×音声コンテンツが持つ可能性ついてどのように感じていますか。
田中:いくつかあると思っているのですが、まずはコンテンツとして新しいということが一番です。ポッドキャストの場合、アスリートの話した言葉・ストーリーをそのままメッセージングすることができる。映像の撮影を伴う収録だとアスリートは構えてしまう方が多いですが、音声収録だと良い意味でカジュアルにありのままの姿で話をしてくれる方が多い。
アスリートの言葉は力強くて、多くの人を勇気づける。長友選手が自らの経験を自らの言葉で発する『UNSTOPPABLE』は、ものすごいパワーを持っているコンテンツだと自負しています。
長友選手は週1回以上のペースで公式戦を戦いながら収録を進めているにもかかわらず、定期的に収録を行い、良いコンテンツが配信できているという部分もポジティブではないかと思っています。コロナ禍で動画配信を始めたはいいものの、なかなか継続できないアスリートが多い状況もあるので、収録にも手間がかからないポッドキャストは、選手がメッセージを届ける場所としても良いのではないかと思ってます。またコンテンツがアーカイブとして残っていくので、その選手が仮に引退しても、現役時代に考えていたことや言葉が残っていく点もポッドキャストの良さではないでしょうか。
また、WonderyではポッドキャストをIPビジネスと捉えているので、オリジナルのポッドキャスト番組を核として映像化したり、小説化したりとさまざまな展開も考えられます。アスリートの場合はビジュアルを起点としたIPの活用が多いので、音声×IPという選択肢をアスリートの皆さんに増やしていきたいですね。
柴田:ポッドキャストは日本では新しいメディアで、欧米と比べると音声コンテンツを専門とするプロダクションやクリエイターの数はまだまだ少ない。Wonderyとしては、ポッドキャストのコンテンツを作っていくパートナーやプロダクションを増やしていくこと、クリエイターの皆さんを支援していくことにも取り組んでいきます。
何よりストーリーに没入できる良質な音声コンテンツを継続して配信していくこと、そしてより多くの人にコンテンツが届くようにマーケティングにも投資することで、ポッドキャストを日本でもより一般的なメディアにしていきたい。そのためにも、長友選手のような知名度のある方と一緒に訴求力のあるコンテンツを作っていくことが何より重要になります。
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長友佑都が持つ二面性とレジリエンス
ーーIPとしてのアスリート、そして長友選手にどのような部分に魅力を感じていますか。
田中:アスリートは競技が一番の仕事ではありますが、コンテンツを作る側としてはその背景にあるストーリーに強い魅力を感じます。
長友選手が超一流のアスリートであることは周知の事実ですが、『UNSTOPPABLE』からは長友選手の親しみやすいキャラクターが随所に伝わってくる。世界トップレベルまで一気に登り詰める長友選手のシンデレラストーリーが語られると同時に、中学生の時に緊張を払拭するために上半身裸で井上博先生と練習した話や、明治大学2年生の時にケガが治らず腐っていた話など、親近感を覚えるエピソードも数多く語られています。紛れもないスーパースターであると同時に、国民の誰からも愛される親しみやすさを併せ持っている。その二面性が長友選手の魅力なのではないかと改めて感じました。
ーー『UNSTOPPABLE』では、今後どのような内容の音声コンテンツが配信されるのでしょうか。
柴田:現状は長友選手がサッカー人生を振り返る「ドキュメンタリーの部」4話分が配信されていて、長友選手の新しい今後の目標についても語っていただいています。
そして今後は長友選手自身が各界で活躍する方々にインタビューを行い、成長の秘密を解き明かす「インタビューの部」が配信になります。5話目ではショパン国際ピアノコンクールで日本人として半世紀ぶりに第2位を受賞したピアニストの反田恭平さんに登場いただきました。「緊張との向き合い方」「大舞台でのゾーンへの入り方」などアスリートとピアニストの意外な共通点が見つかり、とても興味深い対談になりました。さらに日本を代表するアーティストも登場予定なので、今後の配信もぜひ楽しみにしていただけたらうれしいですね。
ーー最後に、『UNSTOPPABLE』はどんな方に聞いていただきたいですか?
田中:人生立ち止まりそうになったり壁にぶつかったり、苦しくて逃げ出したくなったりすることってたくさんあると思うのですが、『UNSTOPPABLE』はそういう局面を立ち止まらず乗り越えていけるか術を教えてくれる学びの詰まったコンテンツになっているんじゃないかと思います。
スポーツを頑張っている方だけではなく、ビジネスマンの方も含め老若男女幅広い人に長友佑都流の「逆境を乗り切るコツ」を伝えられたらいいですね。ポッドキャストは通勤時間や家の中で家事をしている時間など、リスナーの生活に寄り添う形でコンテンツを届けることができるので、『UNSTOPPABLE』を通じて世の中にスポーツとの新しい接点を提供していきたいです。
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プロサッカー選手・長友佑都の半生をひも解きながら、彼の “止まらない”成長の秘密に迫る「UNSTOPPABLE/ アンストッパブル」の視聴はこちら
<了>
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PROFILE
柴田周平(しばた・しゅうへい)
Head of JP Podcast Content, Wondery | Amazon Music
大学卒業後、1992年にNHK(日本放送協会)入局。ディレクターとして『プロフェッショナル仕事の流儀』『クローズアップ現代』など主にドキュメンタリー番組を制作。『にんげんドキュメント ただ一撃にかける』で文化庁芸術祭優秀賞受賞。その後、プロデューサーとして国際共同制作番組/NHKスペシャル『人類誕生』などを制作。NHKエンタープライズでは、ドキュメンタリードラマの制作やポッドキャスト番組『その後のプロフェッショナル仕事の流儀』、『聴くドキュメント72時間』の開発を担当した。2022年9月、Wondery | Amazon MusicにHead of JP Podcast Contentとして参加。
田中裕太(たなか・ゆうた)
Wondery | Amazon Music シニアポッドキャストマーケティングマネージャー
University of San Francisco でSport Management(スポーツマネジメント)の修士号を取得後、アメリカ ボストンを拠点とするスポーツマーケティングエージェンシーGlobal Athletics&Marketing. Inc(グローバルアスレティックスマーケティング)に入社。選手のマネジメントやスポンサーシップ営業、チケットセールス、マーケティング戦略、イベント運営、事業開発など多岐にわたる業務を経験。帰国後2015年よりGoogle Japanに入社し、パートナーシップマネージャーとしてオリンピックの戦略事業部の立ち上げから、ブランドマーケティングマネージャーとしてマーケティング領域まで各領域横断して携わる。2022年2月よりAmazon Japanに入社。Amazon Musicの独占ポッドキャスト番組、Wondery(ワンダリー)のオリジナル番組のマーケティングプロモーションをリードする。
筆者PROFILE
五勝出拳一(ごかつで・けんいち)
広義のスポーツ領域でクリエイティブとプロモーション事業を展開する株式会社SEIKADAIの代表。複数のスポーツチームや競技団体および、スポーツ近接領域の企業の情報発信・ブランディングを支援している。『アスリートと社会を紡ぐ』をミッションとしたNPO法人izm 代表理事も務める。2019年末に『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』を出版。
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