アスリートがSDGsに取り組む真の意味とは? 異彩を放つ“スポーツマネジメント”UDN SPORTSと所属アスリートの飽くなき挑戦
アスリートたちは、プレーを通じて私たちに元気と勇気と感動を与えてくれる。それは紛れもなくスポーツの価値であり、アスリートの力だ。だが決して、それだけではないはずだ。スポーツには、アスリートには、まだまだ多くの可能性がある。そう強く信じるのが、株式会社UDN SPORTSだ。スポーツマネジメント事業を手掛ける同社が新たに立ち上げたプロジェクト『地方からミライを』では、所属アスリートと共にSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた活動を開始する。アンバサダーを務める、桃田賢斗(バドミントン)、橋岡優輝(陸上)、楢﨑智亜、楢﨑明智(共にスポーツクライミング)、水沼宏太(サッカー)、大竹風美子(7人制ラグビー)の6選手は、どんな想いを抱いているのだろうか――。
(取材・文=野口学、写真提供=株式会社UDN SPORTS)
日曜劇場『オールドルーキー』はドラマの中だけの話ではない。
今夏放送された日曜劇場『オールドルーキー』(TBS系列)は、これまであまり知られることのなかったスポーツマネジメントの世界を描いた。アスリートをリスペクトし、そばで支え、夢や目標に向かって共に歩む主人公の姿が強く印象に残っている人も多いだろう。
日本には多くのスポーツマネジメント会社が存在する。その中でひときわ異彩を放っているのが、株式会社UDN SPORTSだ。最大の特徴は、所属アスリートの社会貢献活動を積極的に後押ししていることだ。
一般的に多くのスポーツマネジメント会社では、所属アスリートが主に競技面で活躍できるようにさまざまなサポートを行っている。チームとの契約や移籍などの交渉はもちろん、スポンサー契約やCM出演、メディア露出に関しても、安心して競技に専念できる環境をつくり出すために金銭面のサポートをしているといえるだろう。
もちろんUDN SPORTSもそうした業務を行っている。だがそれと同時に、社会貢献活動のプラットフォーム「UDN Foundation」を立ち上げ、所属アスリートが社会貢献活動を行えるよう全面的に後押ししているのだ。「アスリートが、社会を変える。あなたと変える。」というコンセプトの下、2020年5月にはマスク20万枚とアスリートからのメッセージレターを全国に配布し、同年7月には九州地方の豪雨被害に対する支援活動などを行ってきた。次世代を担う子どもたちのために、アスリート自ら考え、行動に移してきた。
昨今こうしたアスリートの社会貢献活動は決して珍しくなくなってきたが、マネジメント会社としてはそのサポートをするにとどまることが多く、良い活動をしていても“点”にならざるを得ない。だがUDN SPORTSでは、所属アスリート同士が競技の枠を超えて連携し合える環境をつくっており、社会貢献活動を“線”でつなげていくことができる。近年はより積極的に社会貢献活動をやりたいと考えているアスリートは多く、UDN SPORTSへの所属を希望するアスリートはますます増えるのではないだろうか。
スポーツ界とアスリートはSDGsと無関係ではなく、むしろ相性が良い。
昨年11月、UDN SPORTSはSDGs(持続可能な開発目標)に積極的に取り組んでいくと宣言した。
スポーツ界、アスリートにとって、SDGsは決して無関係ではない。深刻化する酷暑はスポーツをする環境を奪い(「13. 気候変動に具体的な対策を」)、海や陸が汚染されればアスリートの肉体を作り上げる食べ物も汚染される(「14. 海の豊かさを守ろう」「15. 陸の豊かさも守ろう」)。平和が損なわれてしまえば、安心して競技に取り組むことができなくなると誰もがいや応なしに気付かされた(「16. 平和と公正をすべての人に」)。
またスポーツはSDGsと相性が良い。生涯にわたってスポーツをすることは健康的な人生を送ることに寄与でき(「3. すべての人に健康と福祉を」)、スポーツは特に子どもの非認知教育に有用だともいわれる(「4. 質の高い教育をみんなに」)。全国でスポーツを核としたまちづくりが注目され(「8. 働きがいも経済成長も」「11. 住み続けられるまちづくりを」)、スポーツを媒介として、人と人、企業と企業がつながり、社会貢献の輪が広がる(「17. パートナーシップで目標を達成しよう」)。
スポーツ界、アスリートがSDGsに取り組むことは、世界中の人々が安心してスポーツを楽しめる環境を持続させるために必要不可欠だ。それと同時に、スポーツ、アスリートが社会課題を解決できると示すことは、スポーツ、アスリートの社会的地位を向上させることにもつながる。それは回り回って、未来のアスリートのために残せるレガシーとなる。
UDN SPORTSはこれまでにもさまざまな社会貢献活動を行ってきたが、所属アスリートと共にSDGsを意識した活動に取り組んでいくという意思をより明確に表したのだ。
今回新たに始動したプロジェクト『地方からミライを』では、所属アスリートの出身地やゆかりのある地方を活性化させ、ゆくゆくは日本全国を元気にするための活動を行う。大会やイベントを通じた子どもたちとの触れ合いや競技の促進だけでなく、コロナ禍で打撃を受けた地方企業、中小企業と連携をして、新たなビジネスの創出にもチャレンジしていくという。
日本のスポーツマネジメント会社としては一線を画す取り組みを続ける彼らは、新たなスポーツ界の形、新たなアスリート像を創り上げようとしている。
スポーツ界が持続可能なものであるために、そして社会が持続可能なものであるために――。UDN SPORTSはアスリートたちと共に、果てなき挑戦を続けている。
<了>
以下は、『地方からミライを』トークセッション(9月26日開催)で、桃田賢斗(バドミントン)、橋岡優輝(陸上)、楢﨑智亜、楢﨑明智(共にスポーツクライミング)、水沼宏太(サッカー)、大竹風美子(7人制ラグビー)の6選手が語った、本プロジェクトならびにSDGsに対する思いや今後の目標をお届けします。
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「都道府県魅力度ランキングで最下位なんてあり得ない(笑)」
【Q. 故郷の魅力は?】
橋岡優輝:
埼玉県
「映画になるぐらい何もないんじゃないかって思われると思うんですけど(笑)、すごく人が温かい街だなって感じています。自然も多く大きな公園もあるので、子どもがすごく伸び伸びとスポーツに接したり遊んだりできるので、子育ての環境としてすごくいいんじゃないかなと。今となっては交通の便もすごくよくなって、都心へのアクセスもすごくいい。そういったところが魅力的なのではないかなと思います」
桃田賢斗:
香川県
「自然があって、瀬戸内海もすごく近いですし、うどんも有名なんですけど、オリーブやはまちもすごく有名で、ご飯もおいしいので、そういうところが魅力かなと思います」
楢崎明智:
栃木県
「まず僕自身が栃木をすごく好きっていうのがあるんですけど、駅周りは何でもありますし、そこから少し離れたら自然もあって、自然と街の調和が取れていて過ごしやすいなと感じますね。日光もありますし、大谷石もあります。一度、都道府県魅力度ランキングで最下位だったこともあるんですけど、それはちょっとあり得ないなと僕は思っています(笑)」
水沼宏太:
神奈川県
「いろいろな顔を持った県だなと思っています。横浜には僕が所属している横浜F・マリノスがありますし、みなとみらいだったり、デートスポットやファミリーでも行けるような場所があります。ゆっくりしたいなと思えば鎌倉に行ったり、箱根に温泉に行ったり、海へ行きたいなと思ったら湘南に行ったり、江ノ島に行ったり、いろいろなことができるので、僕は本当に生まれ育った神奈川県を誇りに思っています」
「スポーツ施設をSDGsの学びの場にできれば」
【Q. 関心の高いSDGsの目標は?】
大竹風美子:
14. 海の豊かさを守ろう
「昨年UDN SPORTSのアスリートの皆さんと一緒に、海の周りのごみ拾いをしました。その時に、本当に海の周りにはごみが散乱しているなと感じました。海や環境への影響を考えると、一人一人の小さな行動が、人のため、地球のためになるんだなと強く感じました。皆さんもできることからご協力をお願いします」
楢﨑智亜:
12. つくる責任 つかう責任
「スポーツクライミングで使う用品を地元の企業と協力してつくりたいなと思って、昨年からチョーク、手につける滑り止めの粉をつくっています。その中で使う素材に、廃棄されるはずだった卵の殻を使ってつくることで環境にも配慮しています。(どれぐらいの量を使うのか?)すごく使います。バケツいっぱいどんと置いて、それに手を突っ込んで、毎トライ、毎トライつけているので、相当な量ですね。消耗品なので少しでも環境にいいものを考えています。(なぜクライミングを始めたのか?)もともと幼稚園のころからずっと器械体操をやっていたんですけど、ある日、技が怖くなって、その状況から抜け出せなくなってやめました。何かしたいなと思ったときに、たまたま新聞のチラシにクライミングジムの広告が入っていて。兄貴がそのジムに行くのについていった感じです。やってみて1回目からかなり面白いなと思いました。木登りやジャングルジムが大好きだったので、その感覚で初めはやっていました」
水沼宏太:
2. 飢餓をゼロに
「日本で生まれて何不自由なく過ごしていると、『飢餓をゼロに』というのは考えにくいことではありますが、海外ではまだ達成していないところがたくさんあります。自分ができる支援をしたり、SNSを使いながら呼びかけをしたり、例えばチャリティー的な寄付の制度を自分でつくってみたり、自分にできることをどんどん増やしていくべきだなと。現状に満足することなく、日頃から感謝の気持ちを持って、今自分に何ができるか、これから考えていくべきだなと思っています。日々暮らしている中で感謝すべきことはたくさんあるので、そういう日常を当たり前だとは思わずにやっていくことが、これから先、大事になってくるかなと思います」
桃田賢斗:
3. すべての人に健康と福祉を
「バドミントンは子どもからお年寄りまで、年齢に関係なくできるスポーツだと思いますし、シャトルとラケットがあれば室内でも、よっぽど風が吹いていない限りは外でもできるので、自分でそういう施設を造るだとか、既にある体育館や公園でバドミントンをやるような活動ができたらいいなと思っています。(なぜバドミントンを始めたのか?)姉がバドミントンをやっていて、家からすごく近い場所にある体育館にスポーツ少年団があったので、身近にバドミントンを始めやすい環境がありました」
橋岡優輝:
11. 住み続けられるまちづくりを
「個人的には、運動ができるような場所が年々減ってきていると感じます。『住み続けられるまちづくりを』というテーマの下、スポーツ施設をSDGsの学びの場として、まちづくりの中でスポーツが生活の一部となれば、そこで暮らす人々の生活にも大きな影響を与えられるのかなと思っています。(なぜ走幅跳を始めたのか?)きっかけは小学生の時に授業でやったことです。中学で陸上競技部には入ったんですけど、学校に砂遊びをするような砂場しかなくて、走幅跳を始められなくて。陸上競技をやるなら走幅跳をやってみたいという思いをずっと持っていて、高校で本格的に始めました。陸上競技というと、100メートルやマラソンが注目されがちですけど、他にも面白い競技があるんだよというのを、施設としてしっかり伝えていけたらと思います。
楢﨑明智:
3. すべての人に健康と福祉を
「将来的に、学校や街にスポーツクライミングができる壁をもっと増やしていきたいなという思いがあります。スポーツクライミングをする場所が増えたら、健康にもつながりますし、指導者やクライミングの課題を作るルートセッターの需要が高まることで雇用など経済面も良くなっていくと思っています。(なぜクライミングを始めたのか?)僕、昔からずっと智くん(兄の楢﨑智亜)にくっつき虫で。智くんがクライミングをやるときに僕もついていって、気付いたら始めていました」
「企業の方々がどのような考えを持って仕事をしているのか、知ることが大事」
【Q. 地元の企業と一緒にやってみたいことは?】
楢﨑智亜:
「他のスポーツだったら授業や部活でやれたりするんですけど、クライミングの場合は今はボルダリングジムへ行って始めることが多いと思います。スポーツは環境づくりがすごく大事なので、弟も言っていましたけど、壁を増やして、より多くの人の目に触れたり、実際に体験してもらう機会を増やしたいなと。弟とも協力しながら、地方でクライミングの体験イベントだったり、今まで僕たちが得た経験を伝えていったり、そういったことを一緒にサポートしてもらいたいなと思います」
大竹風美子:
「このプロジェクトを機に、出身地である埼玉県や生まれ育った東京都の企業の皆さんに、スポーツの魅力を知ってもらえたら。その中で、“いい仕事をするにはいい汗をかこう”だったり、“気分転換をしよう”といった目標を新しく会社に取り入れて、幸せになってもらえたらうれしいなと思っています」
水沼宏太:
「僕はプロサッカー選手として活動しているので、企業の方々がどのような考えを持っていつも仕事しているのかを知ったり、アスリートとして企業の方々との関係性をつくっていくことが大事になってくるんじゃないかなと思うので、そういう場をつくることができればいいなと。そういうところでコミュニケーションを取ることが、これからの未来だったり、未来ある子どもたちのためにもなると思っています。サッカーだけやっていると、企業の方々との接点もなかなかないので、こういう機会を通してやっていくことができれば、もっともっと地域も活性化していくのかなと考えています」
「中学から住んでいた福島への恩返しの意味でも、子どもたちと積極的に触れ合いたい」
【Q. 今後の目標は?】
楢﨑明智:
「2年後のパリ五輪に向けてすごく大事な年になっているので、まずは2月に始まる選考会で代表に入り、ワールドカップでシーズンを通していい成績を出して、世界選手権に出てそこで勝つというのを目標にやっていきたいです」
橋岡優輝:
「人は生きていく上で環境が本当に大事だと思いますし、自分一人でできないことも、今回のようなイベントを通して皆さんと協力していくのはすごく意味あることだと思います。SDGsという言葉だけが先行するのではなく、しっかりアスリートとして活動していくスキームをつくり上げられるように、微力ながら協力できればなと思っています。またアスリートとしては、まだまだ未熟なところが多いので、しっかり突き詰めていってパリ五輪で成績を残せるように精いっぱいやっていければと思っています」
大竹風美子:
「今日はありがとうございました。今回、考える機会や皆さんとお話しする機会をいただくことができて、本当にうれしく思っています。SDGsについて考えることはもちろん大事なんですけど、行動することこそ本当に大切だと思うので、アスリートやファンの方々、メディアの皆さんも一緒にやれるようなイベントとかできたらいいなと思っています。アスリートとしては、来季はワールドシリーズに回れるので、日本だけじゃなく世界で活躍できるような選手になりたいと思っています」
楢﨑智亜:
「UDN SPORTSに入ったことでSDGsについて学ぶことができましたし、アスリートの方たちと話し合うこともできたので、本当に勉強になりました。僕自身の目標としては、やはり東京五輪で取れなかった金メダルを、次のパリで取るために、今トレーニングを積んでいます。直近の目標としては来年の世界選手権で優勝したいです」
桃田賢斗:
「こういうことを考える機会は自分にとってプラスになったと思いますし、僕は香川県出身なんですけど、中学からは福島県に住んでいたので、恩返しの意味でも子どもたちと触れ合うイベントに積極的に参加していきたいです。もっともっとたくさんの方にバドミントンの楽しさ、面白さを広めていきたいと思っています」
水沼宏太:
「今日はこのような場でアスリートが皆さんの前でお話をできたのはすごくよかったと思います。僕自身の目標としては、Jリーグも終盤に差し掛かってきて、所属している横浜F・マリノスで優勝を目指してがんばっていくことが、横浜、神奈川を盛り上げるいいきっかけにもなると思いますし、見る方が夢や希望、勇気を持てるようなプレーをどんどんしていくことが使命だと思っているので、そこに全力を注いでいきたいと思っています。最後になりますけど、これからSDGsの目標だったり、アスリートとして活動していく中で、アスリートやサポーターの皆さん、関係者の皆さん、メディアの方々、みんなが一つになって協力していくことが、これから本当に重要になっていくと思うので、未来ある子どもたちのために、SDGsについてどんどん発信して達成していくことが大事なんじゃないかと思います。あとは、最近では静岡で(台風による)甚大な被害が起きてしまったので、早速アスリートとしてみんなで話し合って、自分たちに何ができるかを考えながら、しっかりと行動に移していきたいと思っています」
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