
「アスリートを応援する新たな仕組みをつくる」NTTデータ関西が変える地域とスポーツの未来
2024年12月10日、新たにスポーツコミュニティプラットフォーム「GOATUS(ゴータス)」をローンチしたNTTデータ関西。これまで幅広い事業展開や実績・知見を活かした「お客様の課題解決をサポートする新たな仕組み、価値を提供する」というミッションのもと、行政サービス、センシングDX、教育、さらにはスマートシティなどの分野でサービスを展開してきた、お客様の課題解決のプロフェッショナルとも言える企業が生み出した「コミュニティプラットフォーム」とは一体どんなものなのだろうか。発起人であるNTTデータ関西の山下剛直さんに「GOATUS」のサービス内容と、その独自性を聞いた。
(インタビュー・構成=中﨑史菜、写真提供=NTTデータ関西)
アスリートとファンの夢をともに育むプラットフォーム
――まずは、2024年12月10日リリースされたスポーツコミュニティプラットフォーム「GOATUS」とは、どんなサービスか教えてください。
山下:GOATUSは、「アスリートとファンの夢をともに育むコミュニティプラットフォーム」です。GOATUSでは、運営資金に課題を抱えているチームや、アマチュアからプロを目指す選手たちが収益を確保できる仕組みをデジタルプラットフォームで提供し、スポーツ振興の発展に貢献することを目標としています。
そして、ファンの方々にも「新しい応援の形」を提供することで、より多くの人々にスポーツを楽しむ環境を作っていきたいと思っています。「アスリート」「ファン」「企業」と、スポーツに関わるすべての人々が幸福感を感じられるサービスを目指しています。
――具体的にどのような機能があるのでしょうか?
山下:「ギフティング」機能では、ファンがアスリートを直接応援できます。また、アスリートがアカウント上で夢や目標を発信するだけでなく、「パーソナルスポンサー」機能では、ファンがその活動を「プロデュース投稿」を通じてアスリートのフィールド(タイムライン)を一緒につくることもできます。チームやアスリートのブランディングに、ファンも直接関わることができるのです。

「新しい応援の形」をファンに提供
――ファンにとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
山下:「パーソナルスポンサー」には、プランよって変わる電子カードが発行され、アスリートのページにスポンサーアイコンが表示されます。また、ユーザーが手軽に協賛企業の情報や商品情報にアクセスできる機能も備えています。
ファンが撮影した写真や投稿が、プロデュース投稿としてアスリートの公式タイムラインにシェアされることで、「自分が応援している」という実感を持つこともできます。
――スポーツチームやアスリートにとってはどのようなメリットがありますか。
山下:スポーツチームやアスリートは資金難や人材不足から、「広報」になかなか労力を割けていません。また、「広報活動がどれだけ収益に繋がっているか」を可視化することに難しさを感じているチームも多いと聞きます。GOATUS上では、ファンが選手や試合の写真を撮影し、素材として提供してくれますし、収益が見える化できるというメリットがあります。チームのブランディングに、ファンが一緒に取り組んでくれるというわけです。
――これまでのSNSとはどのような点で異なるのでしょうか?
山下:応援メッセージを送るには課金が必要なので、誹謗中傷を極限まで減らせると考えています。さらに誹謗中傷をAIで判定し、安全なSNS環境を提供します(春頃実装予定)。これにより、チームやアスリートのメンタルを守りつつ、ファンが安心して利用できるプラットフォームを目指しています。

応援を最大限に活かすビジネスモデルと地域振興への貢献
――GOATUSは、応援が届きやすい仕組みが一つの特徴と聞いていますが、どのようにしてそのモデルを実現しているのでしょうか?
山下:ギフティングやパーソナルスポンサーによるファンからアスリートに送られた応援の最大90%をアスリートに支払う仕組みで、アスリートに最大限の支援を届けます。
スポーツによるまちづくりや地域・社会貢献を共創できる企業・自治体・教育機関とのパートナーシップや広告掲載で協賛を得る形でビジネスモデルを成り立たせます。
――GOATUSが目指す未来はどのようなものですか?
山下:「チーム」「ファン」「企業」が三位一体となった応援体制を構築し、スポーツ業界の持続可能な発展を目指しています。チームやアスリートがGOATUSを通じて得た利益は、スポーツ教室の開催、コンソーシアムの形成などの地域活動やスポーツの発展に向けた活動、災害義援金への寄付などの社会貢献活動に利用されます。これから成長していくアスリートやチームは、遠征費用など、スポーツを行い、継続するための活動に利用されます。
――アスリート・チームはGOATUSで実際にどのような活動をしていますか?
山下:全日本フィギュア2024で優勝された鍵山優真選手は、GOATUSを通じてファンミーティングを今年の春頃に実施される予定です。ファンから受け取った応援はファンミーティングの運営だけでなく、アンバサダーを務めておられる「一般財団法人mudef」にてサポートが必要な子どもたち等への支援活動に利用される予定です。女子プロゴルファーの植手桃子選手は、生まれ育った兵庫県が阪神淡路大震災の復興に多くの方の支えがあったことを知り、困難に立ち向かう方々の力になりたいという思いからGOATUSでファンから受け取った応援を能登半島地震の災害義援金に寄付する活動を行います。
また近畿大学では公認クラブでの利用が始まっており、クラブとファンとの交流を深め、ファンや支援団体と一体となったクラブ運営の応援体制の構築することを目指すなど、GOATUSの目指すアスリートの夢をともに育む関係が生まれています。
スポーツを活用した街づくり
――貴社はGOATUSというサービスを通じてどんな社会を目指しているのでしょうか。
山下:NTTデータグループが考えるサステナブルな社会の実現全体のミッションである「誰もが幸福に暮らせる社会の実現」を基盤に、GOATUSでは「スポーツを活用した街づくり」をビジョンとして掲げています。主人公であるアスリートやスポーツチームを中心に据え、それを企業、ファン、自治体といった多くのステークホルダーが支えることで、新しい収益源を生み出します。この仕組みを持続可能な形で地域活性化につなげることがGOATUSの目標です。
このようにして、スポーツの発展が、結果的に地域の発展につながる仕組みを作りたいと考えています。新しい収益モデルを構築することで、地域とスポーツの両方を持続的に発展させていきたいですね。
――最後に、「GOATUS」という名前にはどのような思いが込められていますか?
山下:GOATUSという名前は、「Greatest of All Time with Us(最高の瞬間をともに)」に由来しており、アスリートとファン、そして企業がともに夢を育むプラットフォームを目指しています。
まずはGOATUSを通じて夢を実現するアスリート、そしてともに夢を実現するファンを輩出することを、目指す社会の実現の第一歩としてサービスを提供していきます。最高の瞬間をともに共有する人々が、GOATUS上に集い、支えあい、地域やスポーツの発展を叶えるのです。
【連載前編】なぜNTTデータ関西がスポーツビジネスに参入するのか? 社会課題解決に向けて新規事業「GOATUS」立ち上げに込めた想い
<了>
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[PROFILE]
山下剛直(やました・たけなお)
株式会社NTTデータ関西 第二公共事業部 第一ソリューション担当 課長。2005年4月株式会社NTTデータ関西入社。システムエンジニアとして通信情報基盤構築案件を歴任。2019年に社長直轄部署であるビジネスイノベーション室に異動。広域エリアをカバーするDX Wi-Fiのディストリビューター事業を技術・営業支援担当として立上げる。2022年7月に第二公共事業部に戻り、公共事業の新規ビジネス企画に従事。2022年10月、「GOATUS(ゴータス)」を新規企画。2024年4月よりマネージャに就任。現在はGOATUS及びスポーツビジネスの事業創発に従事している。
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