内田篤人がコロナ禍で提言「ヨーロッパがアジアに合わせれば」「リフティングだけじゃなくて…」
内田篤人がドイツからJリーグの舞台へ帰ってきて、3年目のシーズンとなる2020年。「無冠からのリスタート」を胸に新体制で挑む鹿島アントラーズだが、新型コロナウイルスの影響で公式戦が延期となり、先行きが不安な状態に置かれている。内田は、現状の日本サッカーが置かれている状況についてどう捉えているのか。また、これまでケガの苦難を乗り越えてきた経験から、練習ができない時の過ごし方について語ってもらった。
(インタビュー=岩本義弘[REAL SPORTS編集長]、構成=REAL SPORTS編集部、撮影=大竹大也)
コロナ禍を機にシーズン期間を欧州と一緒にしてしまえば……
今、世界はコロナウイルスという、これまでにない未曽有の脅威にさらされています。サッカーにおいても、3.11の東日本大震災の時と違って今回は、まったく見通しが立たない状況です。
内田:僕、思うんですけど、半年シーズン期間を遅らせて、ヨーロッパと一緒にしちゃえばいいんじゃないかと。
なるほど。
内田:ACL(AFCチャンピオンズリーグ)とかの関係で難しいというのもわかるんですけど、それは置いておいて、言いたいことが言えるのなら。もしくは、ヨーロッパがアジアに合わせればいいとも思います。なぜヨーロッパは冬に(リーグ戦を)やるんですかね。凍えるような寒さの中やるなら、夏にやればいいじゃないですか。アジアの秋みたいな気候ですし。そういう提案、出てこないじゃないですか。
このような状況の中で、選手たちはどのように過ごしているのですか?
内田:ヨーロッパとかは外出禁止ですし。正直、選手の間ではオフですよね。だって、いつ再開するかわからないし、練習したってケガのリスクしかないですし。
ケガと感染のリスクもありますし。
内田:はい。そうなったら、何のための練習かわからなくなる。でも、さすがに「休みたい」とは言えないですから。チームから、この期間は給料なしって言われたら「じゃあ休ませてください」って思うけれど、給料もいただいているし。Jリーグの再開時期も延びているじゃないですか。今シーズン、どうやってやるんですかね。僕としては、ファーストステージだけでよくない?って思うんですけど……。
選手としては、最初にルールが決まっていない中でやるのはきついですよね。
内田:そうですね。降格がないなら、優勝もなしでいいじゃんって思います。
でも、優勝なしだったら、何のためにやるのかわからなくなりそうです。
内田:結局、そうなるんですよね……。
それでも、今の内田選手は楽しんでやれそうですけどね。
内田:そう。楽しいかもしれない。
選手として、こんな状況の中、モチベーションは落ちてないですか?
内田:みんな、落ちてると思いますよ。練習試合を週1で入れてはくれてますけど。しかも、鹿島は監督が代わったばかりなので、いろいろスムーズにはいかないです。

自宅待機中の学生は、とにかく「勉強しろ」
練習ができない期間が長くなればなるほど、プロ選手はもちろん、サッカーをやっている学生にとってもとんでもないことだと思います。
内田:そうですね。例えば、ケガで1年ほど練習できなくなった時も同じで、学生だったら、部活期間がほぼ終わっちゃうんですよね。それでもサッカーがやりたいって思うなら、頑張ってリハビリすればいいけれど、サッカーだけが人生ではないので。だめだと思ったら、他のことをやればいい。僕はプロで契約しているし、未練たらしいので、体が動くかぎり頑張ってやろうと思います。鹿島の活動で小学校に訪問する時にも、生徒たちにまずは「勉強してください」って話しています。
内田選手は、親御さんが先生なんですよね。
内田:はい、父が先生です。なので、僕も小学校に訪問した時に、まずきちんと勉強をしようと伝えた後に「サッカー選手になりたい人~?」って手を挙げさせるんですが、その後に「全員なれないよ」って言います。そんなに甘くないよって(笑)。
(笑)。現実を教えるんですね。
内田:はい。それで諦めるようなら、仕方がないです。「あ~、なんか内田言ってるな~」くらいの気持ちじゃないと、プロサッカー選手にはなれない。
そういう意味では、今回の新型コロナウイルス感染拡大対策などで外に出られない間、子どもたちにとっては勉強するチャンスですよね。
内田:勉強しろって思います。最近よく、サッカー選手がリフティングをやっている動画を配信しているじゃないですか。はい。
内田:リフティングじゃなく、勉強させろよって思います(笑)。
(笑)。
内田:僕がリフティング下手なので、よりそう思うのかも(笑)。漢字ドリルやっているところを見せろよって思いますもんね。勉強をやったほうがいいと思う。勉強しておかないと、行きたい高校にも行けないし。スポーツ推薦とかもありますけど、変な話、サッカーより(頭の良さは)裏切らないって思いますけどね。
【前編はこちら】内田篤人が明かす、32歳の本音「サッカー選手として、終わる年齢ではない」
<了>
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PROFILE
内田篤人(うちだ・あつと)
1988月3月27日生まれ、静岡県出身。ポジションはディフェンダー、右サイドバック。Jリーグ・鹿島アントラーズ所属。清水東高校卒業後、2006年のJリーグ開幕戦で鹿島アントラーズ史上初となる高卒ルーキーでのスタメン出場を果たし、プロデビュー。鹿島アントラーズでは主力選手として活躍し、07年~09年のリーグ3連覇に貢献、自身も2年連続でJリーグベストイレブンに選出。代表では、FIFA U-20 ワールドカップカナダ2007、北京オリンピックなどに出場し、キリンチャレンジカップ2008 チリ戦でA代表デビュー。2010年7月、ドイツ1部リーグのシャルケに移籍。2017年8月、出場機会を求めブンデスリーガ2部のウニオン・ベルリンへ移籍後、2018年より鹿島アントラーズへ復帰した。
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