
カープ浴衣の人気の秘訣は? “勝利のグラビア”菜乃花と石原慶幸が「感動した」ルーキーの名は…
試合そのもの以外にも楽しめるポイントが多いのが野球観戦の魅力の一つだ。毎年夏場になると「浴衣デー」などのイベントを行う球団もあり、浴衣を着て球場に足を運ぶというのも風流な楽しみ方だ。そんな中、広島東洋カープには球団オリジナルの浴衣があるという。“勝利のグラビア”でカープファンに愛される菜乃花、カープ浴衣を販売するやしまグループ・中須賀賢一社長の話からは、さまざまな形のカープ愛と野球を楽しむ新たな方法が見えてきた。
(文=篠幸彦、撮影=REAL SPORTS)
※写真は左から、五十嵐亮太、菜乃花、秋山真凜
“勝利のグラビア”で話題沸騰 カープ女子グラドル
スポーツ界・アスリートのリアルな声を届けるラジオ番組「REAL SPORTS」。元プロ野球選手の五十嵐亮太とスポーツキャスターの秋山真凜がパーソナリティを務め、ゲストのリアルな声を深堀りしていく。今週から2週にわたって「広島東洋カープ」を特集し、カープにまつわるさまざまなゲストが熱く語らう。最初のゲストは熱烈な“カープ女子”で知られ、カープが勝つたびにSNSに写真を投稿する「勝利のグラビア」が話題となったグラビアアイドルの菜乃花が登場。
「最初に載せたときがたまたまグラビアで真っ赤な衣装を着ているタイミングだったんです。カープの試合は毎日チェックしていたんですけど『あ、カープが勝ってるじゃん! サービスショット出しちゃおう!』ってテンションが上がって載せたら反響がすごかったんですよね」
それがきっかけとなり、野球ファン以外からも注目されるようになったという。そこからカープが勝つたびに写真をSNSにアップ。気がつけば3年間載せ続けたそうだ。
「反響が良くてそのまま続けてしまって、そしたらカープが優勝してやめられなくなっちゃったんですよ。それで3連覇したときに卒業しました」
クライマックスシリーズや日本シリーズも合わせると3年間で投稿数は約300点近くに。そうして他の球団ファンも巻き込みながら幅広い層を魅了し、多くの野球ファンに知られるようになった。勝利のグラビアを卒業した後もカープの応援には足しげく通っているという。
「東京ドームと神宮球場、あとはハマスタ(横浜スタジアム)まで行きます。カープがこっちで試合をするときは、なるべく行こうという気持ちでいます。もちろん、家でも一人で飲みながら見たりしていますよ(笑)」
この日もカープ球団承認グッズである赤い浴衣を着て番組に出演した菜乃花。カープの試合の楽しみ方を五十嵐に問われると、「今日は何を着ていこう?」から始まるという。
「カープのグッズってかわいいじゃないですか。だからカープ戦を見に行くってなると何を着ていこうって考えます。ユニフォームに合いそうな白いパンツとか、スニーカーとか。カープのユニフォームに合うコーディネートが家にはたくさんあるんですよ。ユニフォーム以外にもカープはつなぎなどたくさん出しているので、カープコーデをコスプレみたいな感覚で楽しんでいます」
元広島カープの石原慶幸が語る広島の魅力
続いてのゲストは元カープで、野球解説者として活躍する石原慶幸が登場。昨年、現役を引退して現在も広島を拠点に活動しているという石原とパーソナリティーの五十嵐は同い年。カープとヤクルトで対戦した時代を懐かしんだ。岐阜県出身の石原だが、広島に移り住んで20年目になるという。人生の半分を広島で暮らす石原に広島の魅力を聞いた。
「広島には宮島があったり、原爆ドームがあったりしますが、でもやっぱり野球が好きな人には旧広島市民球場跡地ですかね」
それを聞いた五十嵐も昔の市民球場での思い出を語り出した。
「あの頃の市民球場はすごかったですよね。プロの球場なのかと思うくらいの狭さと味がありました。ロッカールームもロッカーじゃなかったんですよ。広い部屋に椅子だけ置いてあって、そこに選手たちはバッグを置いて球場に入っていました」
そんな市民球場跡地もいずれは再開発で新しい施設が建設されることになる。「やっぱり市民球場跡地がなくなると寂しいし、思い出深い球場ですね」と語る石原。最後に今シーズンのカープの評価を聞いた。
「去年までピッチャーのとくに中継ぎに課題があった。今年はルーキーの3人が活躍して、今のところは克服できていると思います」
トヨタ自動車から入団した抑えの栗林良吏投手の活躍には五十嵐も「ルーキーで抑えというのは僕からしたら考えられないですね」と絶賛すると、菜乃花も「メンタルが強くて頼りになる新人で感動しています」と続いた。
それに対して石原は「ルーキーでクローザーというのは過去には永川勝浩コーチがそうでしたね」と、偉大な先輩投手をほうふつとさせる頼もしいルーキー投手の今後の活躍にも期待を込めた。
人とは違う応援スタイルが人気 カープ浴衣販売のきっかけ
カープ浴衣を販売するやしまグループの中須賀賢一社長もゲストで登場。やしまグループがカープ浴衣を販売するようになって4年目。毎年カープにちなんだデザインの浴衣を販売し、カープファンを喜ばせている。やしまグループがカープ浴衣を販売するようになったきっかけは何だったのだろうか?
「少しでも和装に気軽に触れていただける契機になればという思いと、ちょっと人とは違うスタイルでスタジアムでの応援を楽しんでもらいたいなという思いで取り組みをさせていただくことになりました」
実際にスタジオで浴衣を着用したパーソナリティーの2人もその着心地とデザインを気に入ると、五十嵐は野球のユニフォームを思わせるデザインに注目した。若い世代が着物を着る機会が減っている中で、カープを入り口に身近に感じてほしいと語る中須賀社長。
「もちろん、ユニフォームのまんまというわけではないんですが、見た目とか機能性も含めてユニフォームのイメージになるべく近づくように作っています」
夏場に着るため速乾性に優れた素材を採用し、洗濯も可能。なおかつ目が覚めるほどの赤に選手名と背番号も配し、レプリカユニフォームに近い形のデザインとなっている。そうした機能性とデザイン性に優れた浴衣には、社員のカープ愛も込められているという。
「やはりカープ好きの社員は多いです。カープの試合は人気なのでなかなか席も取りづらいんですが、社員を連れ立ってズムスタ(マツダスタジアム)に応援に行くこともあります。6月6日にはお客さまも含めて、みんなで浴衣を着て応援に行こうというイベントも予定しています」
それを聞いていた菜乃花も「神宮球場でカープの浴衣を着たカップルを見たことあります!」と、すでにカープファンの間で親しまれているというエピソードを披露。中須賀社長は最後に「ぜひこのカープ浴衣を着て最後までカープを応援しましょう」とカープファンへのメッセージで締めくくった。
菜乃花流の野球を楽しむ方法
最後はグラビアアイドルの菜乃花が「カープ女子の今」をテーマに菜乃花流のカープ女子入門法を語った。
「これはカープ女子に限らず、野球はまず誰と見るかで楽しさが全然違うなって思うんですよね。面白い小ネタを教えてくれる人と見るとすごく楽しいと思います。私は最初妹とか家族と見に行ったんですけど、例えば(アンパンマンの愛称で知られる)松山竜平選手が出てくるとアンパンマンを掲げる名物の人がいるんです。
それで松山選手の入場曲が始まると『ほら、あそこにいつもアンパンマンの人がいるの』と教えてくれるんですよ。野球と直接は関係ないんだけど、そういう小ネタを教えてもらいながら見ると楽しいんですよ。最初から『今投げたのカーブだよ』とか言われてもわからないんですよね」
はじめにそうした難しい試合内容から入るより、周りにある野球初心者でも楽しめるところを見つけることが大事なポイント。他にもスタジアム観戦ならでは楽しみ方はたくさんあるという。
「神宮球場にはビールの売り子をけっこうかわいい男の子たちがやっているんですよ。他の球場では男の子が売り子をやるってあまりないと思うんですよね。あとは球場によってグルメも違うし、そういうところも楽しめると思います。神宮球場は夏になると花火もあがったりするので、ビアガーデンだと思って行ってもいいくらいですよね。一球一球集中して見る女の子もいますけど、お酒とかグルメ、花火を楽しみながら観戦するのも良いと思います」
野球の難しいことがわからなくても気軽に楽しめるポイントがいくつもあるのが野球観戦の魅力だ。また、やしまグループのカープ浴衣など、魅力的なグッズが豊富なことも女性がカープのとりこになる理由だろう。
<了>
広島、覇権奪還のキーマンは誰だ?①投手編 先発&リリーフの軸へ期待の2人は…
広島、覇権奪還のキーマンは誰だ?②打撃編 自己最低の昨季から逆襲誓う新選手会長
広島、覇権奪還のキーマンは誰だ?③コーチ編 不安定な投手陣の立て直しを期待される、2人の新任コーチ
[高校別 プロ野球選手輩出ランキング]トップは10年で17人輩出の大阪桐蔭、4位は広島の…
[プロ野球12球団格付けランキング]最も成功しているのはどの球団?
****************************
InterFM897「REAL SPORTS」(毎週土曜 AM9:00~10:00)
パーソナリティー:五十嵐亮太、秋山真凜
2019年にスタートしたWebメディア「REAL SPORTS」がInterFMとタッグを組み、4月3日よりラジオ番組をスタート。
Webメディアと同様にスポーツ界やアスリートのリアルを発信することをコンセプトとし、ラジオならではのより生身の温度を感じられる“声”によってさらなるリアルをリスナーへ届ける。
放送から1週間は、radikoにアーカイブされるため、タイムフリー機能を使ってスマホやPCからも聴取可能だ。
InterFM897「REAL SPORTS」の公式サイトは【こちら】
****************************
この記事をシェア
RANKING
ランキング
LATEST
最新の記事
-
大物外国人、ラグビーリーグワンに続々参戦 様々な意見飛び交う「サバティカル」の功罪
2023.12.05Opinion -
「今の若い選手達は焦っている」岡崎慎司が語る、試合に出られない時に大切な『自分を極める』感覚
2023.12.04Opinion -
「僕らが育てられている」阿部一二三・詩兄妹の強さを支えた家族の絆と心のアプローチ
2023.12.04Education -
ヴィッセル初優勝を支えた謙虚なヒーロー・山川哲史が貫いたクラブ愛。盟友・三笘のドリブルパートナーからJ1屈指の守備者へ
2023.12.01Opinion -
1300人の社員を抱える企業が注目するパデルの可能性。日本代表・冨中隆史が実践するデュアルキャリアのススメ
2023.12.01Business -
変わりつつある『大学』の位置付け。日本サッカーの大きな問題は「19歳から21歳の選手の育成」
2023.12.01Education -
東大出身・パデル日本代表の冨中隆史が語る文武両道とデュアルキャリア。「やり切った自信が生きてくる」
2023.11.30Business -
阿部兄妹はなぜ最強になったのか?「柔道を知らなかった」両親が考え抜いた頂点へのサポート
2023.11.29Education -
アスリートのポテンシャルは“10代の食習慣”で決まる! 「栄養素はチームじゃないと働かない」
2023.11.29Training -
トップアスリート“食事”の共通点とは? 浦和レッズを支えるスポーツ栄養士に聞く「結果を出す」体作りのアプローチ
2023.11.28Opinion -
なぜ東京の会社がBリーグ・仙台89ERSのオーナーに? 「しゃしゃり出るつもりはない」M&A投資の理由とは
2023.11.28Business -
浦和レッズを「食」から支える栄養士・石川三知の仕事とは? 練習後の残食量が激減、クラブ全体の意識も変化
2023.11.27Career
RECOMMENDED
おすすめの記事
-
1300人の社員を抱える企業が注目するパデルの可能性。日本代表・冨中隆史が実践するデュアルキャリアのススメ
2023.12.01Business -
東大出身・パデル日本代表の冨中隆史が語る文武両道とデュアルキャリア。「やり切った自信が生きてくる」
2023.11.30Business -
なぜ東京の会社がBリーグ・仙台89ERSのオーナーに? 「しゃしゃり出るつもりはない」M&A投資の理由とは
2023.11.28Business -
「プロチームを通じて地域を良くしてほしい」モンテディオ山形が取り組む、地域を活性化する“若者への投資”
2023.10.07Business -
学生×プロクラブが生み出す相乗効果。モンテディオ山形はなぜ「U-23マーケティング部」を発足させたのか?
2023.10.07Business -
モータースポーツの発展は自動車業界の未来につながる。JAFがオープンイノベーションに挑戦する理由
2023.10.06Business -
名将エディー・ジョーンズが、ゴールドマン・サックス持田昌典から学んだ教え「成功するのに並外れた知能指数は要らない」
2023.10.05Business -
エディー・ジョーンズが語る「良好な人間関係」と「ストレスとの闘い」。ラグビー日本代表支えた女性心理療法士に指摘された気づき
2023.09.28Business -
J1昇格への道は“DAO”から。ザスパクサツ群馬が掲げる「Road to J1プロジェクト」とは?
2023.09.12Business -
「集客なくして、演出はない」Fリーグ改革を推進するキーマン2人が語る、日本フットサルの現在地
2023.09.09Business -
代表レベルの有望な若手選手がJ2・水戸を選ぶ理由。「クラブのため」と「自分のため」を併せ持つ選手の存在
2023.08.24Business -
なぜ「育成の水戸」は確立されたのか? リーグ下位レベルの資金力でも選手が成長し、クラブが発展する理由
2023.08.03Business