長友佑都が語る、日本代表“強さ”の理由とは?「サバンナのような厳しいリーグでのプレー」

Opinion
2019.10.15

10月10日に埼玉スタジアムで行われたモンゴル戦(FIFAワールドカップアジア2次予選)で、10年ぶりとなる代表での得点を決めた長友佑都。歴代単独3位という国際Aマッチ120試合出場という記録を自ら祝った長友は、試合後、自分自身の意識の変化、現在の代表チームの状況、そして好調の理由について語ってくれた。

(取材・文=岩本義弘[『REAL SPORTS』編集長]、写真=Getty Images)

「もっと怖い選手になりたい、もっと成長したい」

代表での久しぶりのゴールについて聞かれた長友佑都は、「ゴールの取り方も、喜び方も忘れちゃってました」とおどけたが、その直後にはすぐさま表情を変え、今回の試合に臨むに当たり、これまでとは意識を変えた点について言及した。

「今までは、アシストやクロスを上げるというところに(一番の)目的を置いていた部分があって。でも、それではサッカーではないなと。やっぱり、ゴールを(取ることを)目指して、その(ゴールという)目的地点への意識がつながっているからこそアシストもできる。そうすることで、いろいろな幅が広がるなと。今、サッカーを(改めて)学んでいる部分があって。自分の中で勉強しながらやっている部分はあって。今までクロス一辺倒の状態だったので、怖さがない、という部分があった。それをちょっと変えていきたいなと。新しい長友を見せていきたいなと。

もっと怖い選手になりたい、もっと成長したい。良いサイドバックは世界的に見てもゴールが取れる。アシストだけじゃなく、ゴールを取れる。ゴールを取れるから、相手が警戒して、その駆け引きの中で良いクロスが上げられたりする。そういう怖さのある選手になりたいですよね」

チーム全体の現状についても、今は非常に良い状態だと長友は語る。

「4年前よりも明らかにチーム力が上がってますよね。それが(結果が出ている理由の)すべてかなと思います。実力が上がっているし、チームが成熟している。その結果だと思っています。(ベテランと若手の融合についても)かなりうまくいってると思いますね。後ろには経験のある選手がたくさんいて、前には勢いのある、生き生きとしている、ギラギラしている選手たちがたくさんいて、うまくバランスが取れていると思います。中盤には経験のある中堅の選手がいて、とてもバランスが取れたチームだなと感じています」

「UEFAチャンピオンズリーグでのプレーは、自信を持てるようになる」

また、この夏、数多くの選手が、UEFAチャンピオンズリーグに出場するクラブを含めた、ヨーロッパのトップクラブに移籍したことも、現在の好調さを支えているという。

「(モンゴル戦での伊東純也は)良かったですね、すごくアピールしてたと思います。特にあのスピードは。やっぱり、チャンピオンズリーグを戦っている、その高いインテンシティーの中で戦っている選手というのは、やっぱり違いを生み出せますよね。

(チャンピオンズリーグは)やっぱり、違いますよ。相手もすごく本気だし、そのレベルの高い中でやる。その中で自分が自信を持てるようになるんです。チャンピオンズリーグでやると、自信を持てるようになることが、選手にとっては一番大きいのかなと。メンタル的な部分が一番大きい。能力がグッと上がるわけじゃないんですが、自信が自分の能力も含めてすべてを上げてくれる、ということだと思ってます。

やっぱり、激しいリーグ、インテンシティーの高い厳しいリーグでやらないと……。よく、動物に例えるんですけどね、サバンナにいる動物と、そのへんの近くの山にいる動物とでは、研ぎ澄まされ方が違いますよねと。常に狙われ続けるという厳しい状況の中で育つ動物と、普通に寝ていても襲われない中にいる動物では、もちろん全く違うわけです。だから僕らもやっぱり、人間ですけど動物なんで、同じかなと思っていますね。厳しい中でやらないと」

最後に長友は、再び自分に視点を戻した。

「僕も必死ですよ。日々、彼らよりもトレーニングをしたりとか、意識を高くやっていかないと。今でもやっぱりまだまだステップアップを目指していますから。トルコでも、チャンピオンズリーグでもアピールして、もっともっと成長したいという、その気持ちが僕を作っていると思います」

サッカー選手としてのさらなる成長を目指して、そして自身4度目のワールドカップ出場となる2022年カタール大会出場を目指して、長友の飽くなき挑戦は続いていく。

<了>

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