[ACL]Jリーグ勢トップの浦和はアジアで何位? 20年で最も好成績の国・クラブを独自にランキング!

Opinion
2022.08.31

PK戦までもつれ込んだ死闘を制し、浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝進出を決めた。優勝すれば史上最多3度目のアジア制覇となるが、ACLが創設された2003年以降の20年で最も結果を残した国、クラブは果たしてどこなのか? ランキング形式で振り返りたい。

(文=REAL SPORTS編集部、写真=Getty Images)

ACL創設20年の歴史で最も結果を残した国、クラブを独自の算出でランキング!

今回はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第1回大会の2003年以降の20年間で最も結果を残した国、クラブを探りたい。

ランキング作成にあたり集計方法は以下の通り。
・集計期間は、2003年大会から2022年大会まで。ただし2022年大会は8月25日時点の結果までを反映し、西地区のラウンド16、準々決勝、準決勝、ならびに決勝の結果は未反映とする。
・前身のアジアクラブ選手権、ならびにアジアカップウィナーズカップ、アジアスーパーカップの結果は含めない。
・ランキング対象は、本大会ならびに予選ラウンド・プレーオフラウンドに参加のクラブ。
・ランキング内のクラブ名表記は、原則的に現在の名称とする。
・各シーズンの結果に応じてポイントを付与する。付与ポイントは以下の通り。
―予選ラウンド・プレーオフラウンド敗退:1pt.
―本大会出場ボーナス:+2pt.
―グループステージ:1位4pt.、2位3pt.、3位2pt.、4位1pt.
―ノックアウトステージ進出ボーナス:+2pt.
―ノックアウトステージ準々決勝進出:+2pt.
―ノックアウトステージ準決勝進出:+2pt.
―ノックアウトステージ決勝進出:+3pt.
―優勝:+6pt.
例)2022年大会でグループステージ2位突破して優勝した場合⇒本大会出場ボーナス2pt.+グループステージ2位3pt.+ノックアウトステージ進出ボーナス2pt.+準々決勝進出2pt.+準決勝進出2pt.+決勝進出3pt.+優勝6pt.=合計20pt.

国別ランキングから発表! 日本は何位?

まずは各国の参加クラブの獲得ポイントを合計したランキングから。

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26.オマーン      2pt.
25.トルクメニスタン  6pt.
24.ミャンマー     8pt.
23.バーレーン     11pt.
22.タジキスタン    13pt.
21.ヨルダン      14pt.
20.フィリピン     15pt.
19.インド       19pt.
18.シンガポール    21pt.
17.マレーシア     24pt.
16.香港        25pt.
15.インドネシア    42pt.
14.ベトナム      53pt.
13.シリア       54pt.(準優勝:1回)
12.クウェート     57pt.(4強1回)
11.イラク       67pt.
10.タイ       143pt.(準優勝1回)
9. オーストラリア  187pt.(優勝1回、準優勝1回)
8. ウズベキスタン  243pt.(4強4回)
7. カタール     321pt.(優勝1回、4強4回)
6. UAE        371pt.(優勝1回、準優勝3回、4強2回)
5. 中国       402pt.(優勝2回、4強4回)
4. イラン      406pt.(準優勝4回、4強2回)
3. 日本       519pt.(優勝4回、準優勝2回、4強5回)
2. サウジアラビア  543pt.(優勝4回、準優勝4回、4強7回)
1. 韓国       601pt.(優勝6回、準優勝4回、4強10回)
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トップ10にはACLの常連国が名を連ねた。

10位はタイ。延べ47チームが参加し、本大会進出は25、ノックアウトステージ進出は6。最高成績は2003年に準優勝したBECテロ・サーサナ(現ポリス・テロFC)で、現鹿島アントラーズ監督の岩政大樹が2014シーズンに所属していたことでも知られる。近年では2022年大会準決勝で浦和レッズと対戦したパトゥム・ユナイテッドが2年連続でノックアウトステージに進出している。

9位はオーストラリア。延べ42チームが参加し、本大会進出は33、ノックアウトステージ進出は9。2014年にウェスタン・シドニー・ワンダラーズが優勝、2008年にはアデレード・ユナイテッドが準優勝を果たした。アジアサッカー連盟(AFC)に転籍した2007~2016年までの10年間はコンスタントにノックアウトステージ進出を果たしていたが、2017年以降は6年間で1チームだけと低迷が続いている。

5位は中国。延べ68チームが参加し、本大会進出は63、ノックアウトステージ進出は26。広州恒大(現広州FC)が2013、2015年に優勝を果たしている。ビッグマネーによって世界の超一流選手・監督を次々と獲得することで中国サッカー界は活況を示し、2013~2019年に絞れば国別ランキングで1位に躍り出る。だがこの2年間は新型コロナや財政難の影響で各チームは1軍メンバーを派遣せず、グループステージ2分22敗という惨状だ。来シーズン以降は果たしてどうなるだろうか。東アジア全体の成長を考えても、中国勢の復活に期待したい。

2位はサウジアラビア。延べ67チームが参加し、本大会進出は65、ノックアウトステージ進出は43。優勝は4回。アル・イテハドが2004、2005年に大会連覇、アル・ヒラルが2019、2021年の2度頂点に立っている。その他、アル・アハリが準優勝、アル・ナスル、アル・シャバブがベスト4進出を果たすなど、西地区において圧倒的な存在感を示している。

1位は韓国。延べ69チームが参加し、その全てが本大会進出、ノックアウトステージ進出は44。優勝は最多の6回。2022年準決勝で浦和と死闘を演じた全北現代モータース(2006、2016年)、蔚山現代(2012、2020年)が2度、城南一和天馬(現城南FC/2010年)、浦項スティーラース(2009年)が1度アジア王者になっている。その他、FCソウルが準優勝、水原三星ブルーウィングスと釜山アイパークがベスト4に輝いた。2009~2014年には韓国勢が6大会連続でベスト4に進出する最長記録を持つなど、アジアで圧倒的な強さを誇ってきたことが分かる結果となった。

その中で、日本は3位となった。延べ69チームが参加し、本大会進出は68、ノックアウトステージ進出は42。浦和(2007、2017年)が2度、鹿島(2018年)、ガンバ大阪(2008年)が1度ずつ、計4度の優勝を飾っている。

浦和と川崎フロンターレがJリーグ勢として初めてグループステージ突破を決めた2007年以降、日本は16年連続でノックアウトステージ進出を果たしており、イランと並んで最長記録を継続中だ。ノックアウトステージ進出率はサウジアラビア(64.2%)、韓国(63.8%)に次ぐ60.9%で上位2国と比べても遜色ない。

だが、ラウンド16を戦ったチームの準々決勝進出率を見てみると、日本はわずかに40.5%となっている。韓国の64.9%、サウジアラビアの61.8%だけでなく、カタールの58.8%、中国の57.1%と比較してもかなり低いといえるだろう。Jリーグ勢にとってはラウンド16が一つの壁となっているようだ。本来持っている力は韓国勢やサウジアラビア勢と互角以上と考えられるが、ノックアウトステージに必要な勝負強さ、ホーム&アウェー(場合によっては一発勝負)という短期決戦の戦い方で後れを取っているのかもしれない。今後さらにアジアの舞台で存在感を見せていってほしい。

クラブ別通算ランキング! Jリーグ勢トップはアジア何位? 

次にクラブ別の通算ランキングを見てみたい。

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30.アル・ナスル(KSA)      48pt.(6回出場/4強2回)
29.上海海港※(CHN)       49pt.(7回出場/4強1回)
27.シャバブ・アル・アハリ(UAE) 53pt.(9回出場/準優勝1回)
27.山東泰山※(CHN)       53pt.(10回出場)
26.北京国安(CHN)        54pt.(10回出場)
25.ゾブ・アハン(IRN)      57pt.(7回出場/準優勝1回)
24.川崎フロンターレ(JPN)    60pt.(9回出場)
23.アル・ワフダ(UAE)      65pt.(12回出場/4強1回)
22.城南FC※(KOR)        68pt.(6回出場/優勝1回、準優勝1回、4強1回)
21.浦項スティーラース(KOR)   69pt.(8回出場/優勝1回、準優勝1回)
20.ブニョドコル(UZB)      71pt.(11回出場/4強2回)
18.水原三星ブルーウィングス(KOR)73pt.(10回出場/4強2回)
18.FCソウル(KOR)        73pt.(8回出場/準優勝1回、4強2回)
16.ガンバ大阪(JPN)       74pt.(10回出場/優勝1回、4強1回)
16.アル・シャバブ(KSA)     74pt.(10回出場/4強1回)
15.セパハン(IRN)        75pt.(13回出場/準優勝1回)
14.アル・ドゥハイル※(QAT)   76pt.(11回出場)
13.鹿島アントラーズ(JPN)    77pt.(10回出場/優勝1回)
12.エステグラル(IRN)      78pt.(13回出場/4強1回)
11.ペルセポリス(IRN)      84pt.(10回出場/準優勝2回、4強1回)
10.アル・アハリ(KSA)      91pt.(12回出場/準優勝1回)
9. 浦和レッズ(JPN)       92pt.(8回出場/優勝2回、準優勝2回、4強1回)
8. 蔚山現代(KOR)        97pt.(10回出場/優勝2回、4強2回)
7. パフタコール(UZB)      100pt.(18回出場/4強2回)
6. 広州FC※(CHN)        104pt.(11回出場/優勝2回、4強1回)
4. アル・サッド(QAT)      114pt.(17回出場/優勝1回、4強2回)
4. アル・イテハド(KSA)     114pt.(11回出場/優勝2回、準優勝1回、4強2回)
3. アル・アイン(UAE)      125pt.(16回出場/優勝1回、準優勝2回、4強1回)
2. 全北現代モータース(KOR)   154pt.(15回出場/優勝2回、準優勝1回、4強2回)
1. アル・ヒラル(KSA)      171pt.(18回出場/優勝2回、準優勝2回、4強2回)

※上海海港:上海上港時代を含む。
※山東泰山:山東魯能時代を含む。
※城南FC:城南一和天馬時代を含む。
※アル・ドゥハイル:レフウィヤ時代を含む。
※広州FC:広州恒大時代を含む。

<国名コード>
JPN:日本、CHN:中国、IRN:イラン、KOR:韓国、KSA:サウジアラビア、QAT:カタール、UZB:ウズベキスタン
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トップ30には国別ランキング上位8カ国のチームが独占することになった。

29位は中国の上海海港(上海上港時代を含む)。出場7回で、5度ノックアウトステージに進出。ベスト4が1回、ベスト8が2回だ。2016年に初出場を果たして以降、巨額の資金で元ブラジル代表のオスカルやフッキなどの超一流選手を獲得して世界を驚かせた。Jリーグ勢の前に幾度となく立ちはだかり敗退に追いやってきたが、浦和との相性は悪く、2017年大会ではグループステージで1勝1敗、準決勝のリマッチでは2戦合計1対2で敗退を喫した。2019年準々決勝でも対戦し、2戦合計3対3のアウェーゴールルールでまたしても苦杯をなめている。

22位は韓国の城南FC(城南一和天馬時代を含む)。出場6回で、5度ノックアウトステージに進出。優勝1回、準優勝1回、ベスト4が1回だ。Jリーグ勢とは何度も対戦してきたが、特に激闘となったのは2007年準決勝の浦和戦だ。城南ホームの第1戦は2対2。アウェーゴールを2つ奪って引き分けに持ち込んだことで、第2戦の事前予想では浦和優勢と考えられた。だがその予想は覆された。平日ながら5万1651人の観客で真っ赤に染まった埼玉スタジアム2002。21分、ワシントンが決めて浦和が先制。56分、69分に城南が2点を奪って逆転。しかし直後の73分、長谷部誠の同点ゴールで2戦合計4対4。アウェーゴールでも並び延長に突入するもスコアは動かず、勝敗の行方はPK戦に委ねられた。ゴール裏に集結した浦和サポーターが大旗とブーイングで城南の選手にプレッシャーを与え、文字通り“選手と共に戦い”、決勝のチケットをつかみ取った。2022年大会・浦和対全北の準決勝も[浦和優勢の事前予想→浦和先制→全北逆転→直後に浦和が同点弾→PK戦の末に決勝進出]という流れだったこともあり、試合後には15年前の情景を思い起こした浦和サポーターも多かったようだ。

8位は韓国の蔚山現代。出場10回で、6度ノックアウトステージに進出。優勝2回、ベスト4が2回だ。記憶に新しいのは、2度目の優勝を果たした2020年、ヴィッセル神戸との激闘だ。コロナ禍で一発勝負となった準決勝は、52分に山口蛍が先制。75分に安井拓也のゴールで追加点と思われたがVARにより取り消し。81分に蔚山がゴール。一度はオフサイドの判定となったが、VARにより同点ゴールが認められた。延長でもスコアが動かずこのまま試合終了かと思われた119分、蔚山がPKで勝ち越した。試合後には三木谷浩史会長が判定についてAFCに抗議する旨をツイートするなど後味の悪い結果となった。

6位は中国の広州FC(広州恒大時代を含む)。出場12回で、7度ノックアウトステージに進出。優勝2回、ベスト4が1回、ベスト8が3回だ。マルチェロ・リッピ、ルイス・フェリペ・スコラーリといったFIFAワールドカップ優勝監督を招聘(しょうへい)し、元ブラジル代表のパウリーニョや、2014年ワールドカップで日本代表から2ゴールを奪った元コロンビア代表のジャクソン・マルティネスなどの超一流選手を獲得してアジアの舞台を席巻した。2012年の初出場以降、毎年Jクラブと対戦しており、特にノックアウトステージにおいては8度の対決で7勝と圧勝している。唯一敗退を喫したのは、2019年準決勝の浦和だ。アウェーの第1戦で0対2で敗れた広州は、第2戦ホームでの巻き返しを図ったが逆に興梠慎三に決められ、2戦合計0対3で敗れた。

2位は韓国の全北現代モータース。出場15回で、13度ノックアウトステージに進出。優勝2回、準優勝1回、ベスト4は2回、ベスト8は5回と、東地区のチームでは圧倒的な戦績を残している。2022年準決勝・浦和戦は記憶に新しいところだ。全北はラウンド16、準々決勝と2戦連続で120分を戦い中2日、浦和のホーム・埼玉スタジアムでの一発勝負、浦和が好調を示していたことから、サッカーファンの多くが浦和の優勢を予想していた。だがふたを開けてみれば、延長・PK戦にまでもつれ込む死闘となったのは、ACLの経験値が高く、アジアを勝ち抜くために必要な戦い方を熟知しているからに他ならない。惜しくも敗れ去ったが、浦和をあと一歩まで追い詰めた戦いぶりに日本のサッカーファンからも多くの称賛の言葉が送られた。

ACL創設以降で西地区のチームと初めて対戦したJクラブはどこ?

Jリーグ勢と対戦した西地区のチームは9つ、うち7チームがトップ30にランクインした。その中から特に印象深いものを紹介しよう。

西地区のチームで初めてJリーグ勢と対戦したのは、15位のセパハン(イラン)だ。2007年準々決勝で川崎と対戦し2戦合計0対0、延長・PK戦の末に勝利した。決勝まで勝ち進んだセパハンは浦和と対決。2戦合計1対3で敗れて準優勝となったが、FIFAクラブワールドカップへの出場を決めた(※ACLで優勝した浦和がアジア枠でクラブワールドカップ出場を決めたため、開催国枠がJリーグ優勝チームではなくACL準優勝チームへと移ったため)。浦和がJリーグ勢として初めてアジア王者に輝いたが、その要因の一つに、準々決勝で対戦した川崎がセパハンに関する情報提供に協力したという側面も決して忘れてはならないだろう。

20位のブニョドコル(ウズベキスタン)は、2012年、2013年に2年連続グループステージでJクラブと対戦している。2012年はG大阪を相手に1対3、3対2の1勝1敗、2013年はJリーグ王者・サンフレッチェ広島を相手に2対0、0対0の1勝1分だった。

16位のアル・シャバブ(サウジアラビア)は、2013年準々決勝で柏レイソルと対戦。2戦合計3対3、アウェーゴールルールで敗退を喫した。2022年大会では8年ぶりのノックアウトステージ進出を決めている(西地区のノックアウトステージは2023年2月開催予定)。

11位のペルセポリス(イラン)は、2018年決勝で鹿島とアジア王者を懸けて戦った。鹿島ホームの第1戦はレオ・シルバ、セルジーニョのゴールで鹿島が2対0と先勝。逆転を期して臨んだ第2戦、スタジアムには10万人もの大観衆が詰め掛け、ホームチームを後押しした。だが粘り強い鹿島の守備を崩すことができず、ペルセポリスは準優勝に終わった。その2年後、2020年大会で再び決勝に駒を進めたが、蔚山に敗れて2度目の準優勝となった。

4位のアル・イテハド(サウジアラビア)は、2009年準決勝で名古屋グランパスと対戦した。アル・イテハド ホームの第1戦で6対2で先勝。名古屋ホームの第2戦も2対1で勝利し、2戦合計8対3の圧勝で決勝へと駒を進めた。2004、2005年の連覇をはじめ、準優勝1回、ベスト4が2回、ベスト8が3回と、出場するたびに好成績を残している。

3位のアル・アイン(UAE)は、2011年グループステージで名古屋と対戦、0対4、3対1の1勝1敗だった。ACL第1回大会(2003年)の王者で、他にも準優勝2回、ベスト4が1回、ベスト8が3回の成績を収める西地区屈指の強豪だ。

そして栄えある1位には、サウジアラビアのアル・ヒラルが輝いた。国内随一の人気を誇る、アジア屈指の強豪だ。18回出場はパフタコール(ウズベキスタン)と並び最多タイ、13度ノックアウトステージ進出は全北と並んで最多タイ、2009~2017年の9大会でノックアウトステージ進出の連続最長記録を持っている。ただ優勝とは縁遠く、10回目の出場にして初めてたどり着いた決勝では、初出場のウェスタン・シドニー(オーストラリア)に2戦合計0対1で敗れた。その3年後、再び決勝に駒を進めて浦和との決勝に臨んだが、2戦合計1対2でまたしてもアジア王者の座を逃した。2年後の決勝で浦和と再戦。元イタリア代表セバスティアン・ジョヴィンコ、元フランス代表バフェティンビ・ゴミス、元ペルー代表アンドレ・カリージョら強力な攻撃陣を補強して臨んだリベンジマッチは、2戦合計3対0。スコア以上の完勝劇で悲願のアジア制覇を成し遂げた。さらに2年後、2021年決勝は一発勝負で浦項を2対0で破り、2度目の戴冠を果たした。2022年大会はグループステージ4連勝で早々にノックアウトステージ進出を決めており、みたび浦和と決勝で相まみえる可能性も十分にあり得る。(西地区のノックアウトステージならびに決勝は2023年2月開催予定)。

2014年大会以降、東地区と西地区のチームは決勝まで対戦することがなくなったため、対戦頻度は少なくなったが、これからも決勝の舞台でJクラブとアジア王者の称号を懸けた熱戦が見られることを期待したい。

Jリーグ勢激闘の歴史。浦和が持つ数々の偉大な記録とは?

Jリーグ勢のランキングも確認したい。以下にJリーグ勢だけを抽出したランキングを記載する。

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141.ベガルタ仙台    3pt.(1回出場)
123.清水エスパルス   4pt.(1回出場)
114.東京ヴェルディ   5pt.(1回出場)
94.ジュビロ磐田     9pt.(2回出場)
56.FC東京        21pt.(3回出場)
54.ヴィッセル神戸   22pt.(2回出場/4強1回)
50.サンフレッチェ広島 26pt.(5回出場)
43.セレッソ大阪    28pt.(4回出場)
42.横浜F・マリノス   29pt.(5回出場)
40.柏レイソル     33pt.(4回出場/4強1回)
37.名古屋グランパス  36pt.(4回出場/4強1回)
24.川崎フロンターレ  60pt.(9回出場)
16.ガンバ大阪     74pt.(10回出場/優勝1回、4強1回)
13.鹿島アントラーズ  77pt.(10回出場/優勝1回)
9. 浦和レッズ     92pt.(8回出場/優勝2回、準優勝1回、4強1回)
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Jリーグ勢4位は川崎フロンターレ。出場9回で、5度ノックアウトステージに進出。ベスト8は3回だ。初出場を果たした2007年大会でいきなりノックアウトステージに進出した。それまでに出場したJリーグ勢は全てグループステージで敗退しており、川崎がグループステージ突破を決めた最初のJクラブとなった(同年大会で浦和もノックアウトステージに進出しているが、川崎は第5戦、浦和は第6戦で突破を決めた)。ベスト4に最も近づいたのは2017年。広州恒大(当時)、水原三星と同居した“死のグループ”を1位突破し、ラウンド16ではムアントン・ユナイテッド(タイ)に2戦合計7対2で圧勝。準々決勝は浦和との同国対決となった。等々力での第1戦は小林悠の2ゴールを含め3対1で先勝し、初の準決勝進出へ視界は良好と思われた。迎えた埼玉スタジアムでの第2戦、19分にエウシーニョが先制し2戦合計4対1と勝敗は決したかと思われた。だが35分興梠慎三、70分ズラタン、84分ラファエル・シルバ、86分高木俊幸に立て続けにゴールを奪われ、まさかの敗退を喫した。だがこの悔しさを糧に川崎はこのシーズン、逆転でJリーグ優勝。クラブ初タイトルを獲得し、今に続く黄金時代を築き上げている。

Jリーグ勢3位は、ガンバ大阪。出場10回で、5度ノックアウトステージに進出。優勝1回、ベスト4が1回だ。2008年大会、G大阪は快挙を成し遂げた。グループステージを4勝2分の無敗で切り抜け、クラブ史上初のノックアウトステージ進出。準々決勝のアル・カラーマ(シリア)を2戦合計4対1で退けて迎えた、前年王者・浦和との準決勝。G大阪ホームの万博記念競技場での第1戦は1対1のドロー。続く第2戦、埼玉スタジアムには5万3287人が集まった。36分高原直泰の先制点でリードを奪った浦和が流れをつかんだように思われたが、後半に入り、51分山口智、72分明神智和、77分遠藤保仁と立て続けにゴールを奪い、逆転で決勝進出を果たした。決勝のアデレード・ユナイテッドには2戦合計5対0と圧勝して初優勝。グループステージから決勝戦まで12戦無敗、しかもアウェー全勝は大会史上初の記録となった。

Jリーグ勢2位は、鹿島アントラーズ。出場10回で、7度ノックアウトステージに進出。優勝1回、ベスト8が2回だ。主要タイトル19冠と国内では圧倒的な実績を持ちながら、アジアの舞台ではなかなかその力を発揮できずにいた。2008年から4大会連続で、ノックアウトステージ初戦で敗退。2017年に再びノックアウトステージに進出するも、またしても初戦で敗れた。悲願のアジア制覇を期して臨んだ2018年大会では、水原三星、シドニーFC、上海申花との“死のグループ”を突破し、ラウンド16では豊富な資金で強力な戦力を擁した上海上港(当時)を2戦合計4対3で破り、ついに鬼門を突破。勢いに乗った鹿島は、準々決勝で広州恒大(当時)との同国対決を制した天津権健(現天津天海)に2戦合計5対0で快勝。準決勝・水原三星戦では、ホーム第1戦は0対2とリードを奪われるも、内田篤人がアディショナルタイムにゴールを決め3対2で逆転先勝。続く第2戦は山本脩斗が先制点を挙げて2戦合計4対2とリードを広げるも、立て続けにゴールを奪われ2戦合計4対5と逆転を許す。それでも64分西大伍のゴールで追いつき、82分にセルジーニョがアウェーゴール3点目を挙げたところで勝負は決した。ペルセポリス(イラン)との決勝は2戦合計2対0。大会を通じて鹿島らしい“勝負強さ”を発揮し、8回目の出場にしてついにアジアの頂点に立った。

そして、Jリーグ勢1位は、浦和レッズだった。出場8回で、6度ノックアウトステージに進出。優勝2回、準優勝1回、ベスト4が1回。2022年大会も決勝まで駒を進めている(決勝は2023年2月開催予定)。Jリーグ勢史上初のACL優勝、大会史上初の“初出場で初優勝”、大会史上初の無敗優勝(以上2007年大会)、Jリーグ勢史上初の“2度目のACL優勝”、大会史上初のホーム全勝優勝(以上2017年大会)。さらには、もし2022年決勝も勝てば、大会史上最多となる3度目のACL優勝となる。

アジアの舞台では記録尽くしともいえる浦和だが、さらにもう一つ、特筆すべきランキングがある。

出場平均ランキングでは浦和が1位! アジアでの強さの源泉は?

クラブ別通算ランキングでは9位だった浦和だが、通算ポイントを出場大会数で割った“出場平均ランキング”では堂々の1位となる。

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46.サンフレッチェ広島(JPN)        5.20pt.(通算26pt./5回出場)
37.横浜F・マリノス(JPN)          5.80pt.(通算29pt./5回出場)
31.川崎フロンターレ(JPN)         6.67pt.(通算60pt./9回出場)
24.FC東京(JPN)              7.00pt.(通算21pt./3回出場)
24.セレッソ大阪(JPN)           7.00pt.(通算28pt./4回出場)
21.ガンバ大阪(JPN)            7.40pt.(通算74pt./10回出場)
19.鹿島アントラーズ(JPN)         7.70pt.(通算77pt./10回出場)
15.柏レイソル(JPN)            8.25pt.(通算33pt./4回出場)
10.名古屋グランパス(JPN)         9.00pt.(通算36pt./4回出場)
9. FCソウル(KOR)             9.13pt.(通算73pt./8回出場)
8. ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(AUS)9.33pt.(通算28pt./3回出場)
7. 広州FC※(CHN)             9.45pt.(通算104pt./11回出場)
6. アル・ヒラル(KSA)           9.50pt.(通算171pt./18回出場)
5. 蔚山現代(KOR)             9.70pt.(通算97pt./10回出場)
4. 全北現代モータース(KOR)        10.27pt.(通算154pt./15回出場)
3. アル・イテハド(KSA)          10.36pt.(通算114pt./11回出場)
2. 城南FC※(KOR)             11.33pt.(通算68pt./6回出場)
1. 浦和レッズ(JPN)            11.50pt.(通算92pt./8回出場)

(3回以上出場したクラブに限定)

※城南FC:城南一和天馬時代を含む。
※広州FC:広州恒大時代を含む。

<国名コード>
JPN:日本、AUS:オーストラリア、CHN:中国、KOR:韓国、KSA:サウジアラビア
==================================================

通算ポイントの場合は、出場回数が多ければ多いほど上位にランクインしやすいが、この出場平均ランキングでは、出場回数が少なかったとしても“出場すれば結果を残す”クラブが上位にくることになる。

浦和は国内リーグで低迷した時期もあり、ACL出場回数は8回と決して多くはない。だが2007年に初出場で初優勝したことや、2017、2019、2022年と出場したシーズンは3大会連続で決勝進出(大会史上初)を果たすなど、出場すれば結果を残してきたことが分かる。

なぜ浦和はアジアの舞台で強いのか――?

その答えは一つではないだろう。だが確かなことは、浦和サポーターのACLに対する熱量が半端ないことだ。

ACL出場は過密日程、移動距離の長さ、気候の違いによる負担が大きく、ピッチ状態も悪ければ、不可解なジャッジも飛び出す。「ACLは罰ゲーム」とやゆされるゆえんだ。チーム事情によって大幅にメンバーを落とすクラブもあるだろう。

だが浦和サポーターは、初出場を果たす何年も前から「Go To ASIA」を合言葉に、アジア、そして世界への挑戦を切望してきた。ACLを罰ゲームと考えることは決してなく、言い訳にすることも望まない。常に本気で戦う場であり、リーグとてんびんにかけるものでもなく、その両方を追い求めることを望む。クラブもその想いに応えて全力を尽くし、サポーターも全力で応える。本気で挑むからこそ、中身のある経験値が積み上げられる。そうした循環が浦和のアジアでの強さを支えている。そしてその源泉は、サポーターの切なる想いだった。といえば言い過ぎだろうか。

ACLは来シーズンから秋春制に移行することが発表された。春秋制のJリーグを戦う日本勢にとっては、ますます難しい戦いを強いられることになるだろう。それでも、Jリーグの誇りを懸けて、アジアの頂点に立つJクラブの姿をこれからも見続けられることを期待したい。

<了>

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