[高校別 ドラフト指名ランキング]大阪、神奈川、埼玉の三つ巴を制したのは? 独自項目で算出した決定版!
10月26日、新型コロナウイルスの影響により例年とは異なる形で、プロ野球ドラフト会議が行われる。これまでも多くのドラマを生んできたドラフト会議だが、異例の状況で開催される今年、どのようなドラマが生まれるだろうか。
これまで名門と呼ばれる高校からは、多くの球児がプロ入りを果たしたが、最もドラフト指名された高校はいったいどこだろうか? REAL SPORTS独自に集計したポイントでランキングを作成した。
(文=REAL SPORTS編集部、写真=Getty Images)
ドラフトで人気あるのはどこの高校? 指名順位に応じた独自のランキング発表
10月26日、プロ野球ドラフト会議が行われる。
毎年、各球団さまざまな指名戦略が繰り広げられるが、今年は新型コロナウイルスの影響によりプロ野球のスカウトも活動が制限され、例年とは異なる様相を呈したドラフト会議になるだろう。
今回、過去10年間(2010~2019年)のドラフト会議で指名された選手の所属高校を集計。指名順位ごとにポイントを付与し、ランキングを作成した。
ランキングの作成方法は以下の通り。
・ドラフト指名1位=10 pt、2位=9 pt~9位=2 pt、育成1位~8位=1 ptを付与
・各年、球団によって指名数が異なるが、順位に応じて付与するポイントは変わらない
(指名が5人、育成3人の場合、1位=10 pt~5位=6 pt、育成1位~3位=1 pt)
・1位指名で複数競合した場合でも、付与されるポイントは10Ptのみ
・辞退した選手、ならびに大卒、社会人、独立リーグ所属選手は除外
過去10年間でプロ選手を輩出した高校数は236校! そのトップは?
過去10年間でドラフト指名選手を輩出した高校数は236校。その中で最も多くドラフト指名を挙げている高校は大阪桐蔭(大阪)だった。この10年の間に2度の春夏甲子園連覇を含めて6度優勝をしている名門校として納得の結果となった。
大阪桐蔭は2012年のドラフト会議で阪神に1位指名された藤浪晋太郎や、昨シーズン最優秀選手賞の森友哉(2013年西武1位)をはじめ、上位指名された選手が多いことが決め手となり85 ptと2位と大きく差をつけた。また輩出人数も12人と10年間で最多となっている。
今年は新型コロナウイルスの影響で春夏どちらも甲子園が中止となったが、甲子園交流試合で春夏合わせて4度の全国制覇を誇る東海大相模(神奈川)に4-2で勝利、秋季大阪府大会で優勝するなど好調な結果を出しており、今年は西野力矢、仲三河優太の2人がプロ野球志望届を提出している。
続いて、2位が花咲徳栄(埼玉)で64 pt、3位横浜(神奈川)で59 ptと続く。輩出人数では横浜が9人輩出し2位、花咲徳栄が8人で3位と1人差で逆転している。
花咲徳栄は過去10年のうち2015~2019年の5年連続で夏の甲子園出場、2017年には初優勝を飾っている。また夏の甲子園出場と同じくドラフト指名も2015年西武4位指名の武田愛斗(旧姓:大瀧、現登録名は愛斗)から2019年広島4位指名の韮澤雄也まで5年連続、合計8人の選手がプロ入りし、1位指名こそいないものの、その多くが上位指名されている。
一方、横浜は昨年、神奈川県大会準々決勝で県内有数の進学校である県立相模原と対戦し6-8で敗れ、夏の甲子園出場を断たれたことが記憶に新しい。また近年では初戦や2回戦など早期敗退が多くみられる。藤平尚真こそ1位指名(楽天)ではあるものの、近年の春夏甲子園での活躍の目立つ花咲徳栄の選手の方が指名順位で上回り、横浜は3位という結果になった。他に、昨年最高出塁率の個人タイトルを取った近藤健介(2011年日本ハム4位)も横浜の出身だ。
ドラフト指名順位の変動の特徴とは?
履正社(大阪)は人数こそ4人だったが、39 ptで5位となっている。1位指名が3人(山田哲人/2010年ヤクルト、寺島成輝/2016年ヤクルト、安田尚憲/2017年ロッテ)、2位指名が1人(井上広大/2019年阪神)と4人全てがその年の注目選手として上位指名となっていた。
1位の大阪桐蔭のように、毎年ドラフトでコンスタントに指名される選手を輩出する学校もあるが、ほとんどがその年の春夏の甲子園の試合結果によって注目のされ方が変わってくることがわかる。そのため今年は限られた試合数、練習の中でアピールした選手と、スカウトの見る目が、ドラフト会議当日にどのような結果として出るのか注目である。
<了>
【高校別 ドラフト指名ランキング】
1位 大阪桐蔭(大阪) 85 pt/12人
2位 花咲徳栄(埼玉) 64 pt/8人
3位 横浜(神奈川) 59 pt/9人
4位 九州国際大付(福岡) 42 pt/6人
5位 履正社(大阪) 39 pt/4人
6位 八戸学院光星(青森) 35 pt/7人
7位 星稜(石川) 33 pt/4人
7位 智弁和歌山(和歌山) 33 pt/4人
9位 東海大相模(神奈川) 32 pt/4人
10位 九州学院(熊本) 31 pt/4人
11位 仙台育英(宮城) 29 pt /6人
12位 菰野(三重) 28 pt/6人
12位 創志学園(岡山) 28 pt /4人
14位 北照(北海道) 27 pt/4人
15位 明徳義塾(高知) 25 pt/4人
16位 秀岳館(熊本) 24 pt /5人
17位 花巻東(岩手) 23 pt /4人
18位 関東第一(東京) 23 pt/3人
19位 専大松戸(千葉) 23 pt/4人
20位 敦賀気比(福井) 22 pt/6人
20位 霞ケ浦(茨城) 22 pt/4人
20位 福岡工大城東(福岡) 22 pt/3人
20位 東邦(愛知) 22 pt/3人
「下位指名なら入団拒否」への批判は真っ当か? 知られざる“ドラフト順位格差”の現実
なぜ広島は“ドラフト上手”なのか? 伸びる選手を見抜く、スカウト独自戦略3カ条
[都道府県別 プロ野球選手出身地ランキング]トップは大阪、東京は4位! 意外な県が上位にも……
この記事をシェア
KEYWORD
#COLUMNRANKING
ランキング
LATEST
最新の記事
-
なぜ大谷翔平はDH専念でもMVP満票選出を果たせたのか? ハードヒット率、バレル率が示す「結果」と「クオリティ」
2024.11.22Opinion -
大谷翔平のリーグMVP受賞は確実? 「史上初」「○年ぶり」金字塔多数の異次元のシーズンを振り返る
2024.11.21Opinion -
いじめを克服した三刀流サーファー・井上鷹「嫌だったけど、伝えて誰かの未来が開くなら」
2024.11.20Career -
2部降格、ケガでの出遅れ…それでも再び輝き始めた橋岡大樹。ルートン、日本代表で見せつける3−4−2−1への自信
2024.11.12Career -
J2最年長、GK本間幸司が水戸と歩んだ唯一無二のプロ人生。縁がなかったJ1への思い。伝え続けた歴史とクラブ愛
2024.11.08Career -
なぜ日本女子卓球の躍進が止まらないのか? 若き新星が続出する背景と、世界を揺るがした用具の仕様変更
2024.11.08Opinion -
海外での成功はそんなに甘くない。岡崎慎司がプロ目指す若者達に伝える処世術「トップレベルとの距離がわかってない」
2024.11.06Career -
なぜイングランド女子サッカーは観客が増えているのか? スタジアム、ファン、グルメ…フットボール熱の舞台裏
2024.11.05Business -
「レッズとブライトンが試合したらどっちが勝つ?とよく想像する」清家貴子が海外挑戦で驚いた最前線の環境と心の支え
2024.11.05Career -
WSL史上初のデビュー戦ハットトリック。清家貴子がブライトンで目指す即戦力「ゴールを取り続けたい」
2024.11.01Career -
女子サッカー過去最高額を牽引するWSL。長谷川、宮澤、山下、清家…市場価値高める日本人選手の現在地
2024.11.01Opinion -
日本女子テニス界のエース候補、石井さやかと齋藤咲良が繰り広げた激闘。「目指すのは富士山ではなくエベレスト」
2024.10.28Career
RECOMMENDED
おすすめの記事
-
10代で結婚が唯一の幸せ? インド最貧州のサッカー少女ギタが、日本人指導者と出会い見る夢
2024.08.19Education -
レスリング女王・須﨑優衣「一番へのこだわり」と勝負強さの原点。家族とともに乗り越えた“最大の逆境”と五輪連覇への道
2024.08.06Education -
須﨑優衣、レスリング世界女王の強さを築いた家族との原体験。「子供達との時間を一番大事にした」父の記憶
2024.08.06Education -
サッカーを楽しむための公立中という選択肢。部活動はJ下部、街クラブに入れなかった子が行く場所なのか?
2024.07.16Education -
14歳から本場ヨーロッパを転戦。女性初のフォーミュラカーレーサー、野田Jujuの急成長を支えた家族の絆
2024.04.15Education -
モータースポーツ界の革命児、野田樹潤の才能を伸ばした子育てとは? 「教えたわけではなく“経験”させた」
2024.04.08Education -
スーパーフォーミュラに史上最年少・初の日本人女性レーサーが誕生。野田Jujuが初レースで残したインパクト
2024.04.01Education -
「全力疾走は誰にでもできる」「人前で注意するのは3回目」日本野球界の変革目指す阪長友仁の育成哲学
2024.03.22Education -
レスリング・パリ五輪選手輩出の育英大学はなぜ強い? 「勝手に底上げされて全体が伸びる」集団のつくり方
2024.03.04Education -
読書家ランナー・田中希実の思考力とケニア合宿で見つけた原点。父・健智さんが期待する「想像もつかない結末」
2024.02.08Education -
田中希実がトラック種目の先に見据えるマラソン出場。父と積み上げた逆算の発想「まだマラソンをやるのは早い」
2024.02.01Education -
女子陸上界のエース・田中希実を支えたランナー一家の絆。娘の才能を見守った父と歩んだ独自路線
2024.01.25Education